今や使ったことのない人はいないのではないか?というほど私たちの生活に欠かせない存在となった「Web会議システム(オンライン会議システム)」。ZoomやTeams、Skypeなど、みなさんも一度は使用したことがあるのではないでしょうか。今回は、私たちてくいのメンバーが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による外出自粛生活の中で体験したWeb会議システムをご紹介します。有名どころからちょっと変わった面白いものまで幅広く試してみましたので、是非お楽しみください。
目次
Web会議システムとは
Web会議システムとは、インターネット上で相手と音声通話またはビデオ通話を行うためのツールです。音声や画像以外にも、テキストチャットや画面共有、ホワイトボード、ファイル送受信など、会議を円滑に進めるための機能が付属していることが多いです。
インターネットへの接続環境さえあれば、遠方の支社や取引先と、現地に赴かずに打ち合わせができることから、働き方改革を実現する施策の1つとして注目を浴びています。また、昨今の情勢から在宅勤務の需要が急激に高まったことも、多くの企業で導入が進んでいる要因となっています。
Web会議システムの種類と特徴
それではさっそく、代表的なWeb会議ツールを比較していきましょう。
Zoom(ズーム)
●概要
Zoom公式ページ
Web会議ツールといえばこれ!と言っても過言ではないほどの認知度を誇るZoom。DAU(デイリーアクティブユーザー数)は公開されてされていませんが、20 20年4月20日のZoom社のブログ記事によると、1日のミーティング参加ユーザーは3億人を超えているとのことです。てくいの では、毎日朝夕15分ずつ行われる進捗ミーティングや、アプリ設計の打ち合わせ、アフターファイブの飲み会などあらゆる場面でZoomを利用しています。
●主な機能
画面共有 |
自分の画面を会議相手に共有できます。特定のアプリの画面だけを選択することもでき、デクストップ上の見せたくないものを共有相手に見せないようにできます。共有できる画面の中にはホワイトボードも含まれていて、図を書きながら説明することも可能です(性能はイマイチという所感) |
テキストチャット |
メニューバーからチャットを起動し、テキストでのやりとりが可能です。特定の参加者のみに送信することもできますので、内緒話も…? |
投票機能 |
(有料版)簡単なアンケートをとることができます |
ブレークアウトセッション |
ミーティング参加者をいくつかのグループに分け、それぞれ別の会議を行うことができます。グループセッションを終えるとはじめのミーティングに全員戻ります。(この時の転送、「GANTZ」感あるとおっしゃってた方がいて、妙に印象に残ってます) |
手を挙げる |
発言をしたいことをアピールをしたり、プレゼンターからの簡単なアンケートへの返答にしたりする際に使用できます |
リアクション |
「いいね!」「拍手」の2種類のリアクションができます |
レコーディング |
ミーティングの様子を録画・録音できます (有料版)ファイルの保存先にクラウドを選択できます |
バーチャル背景 |
好きな画像や動画を背景に設定できます |
●料金
無料プラン:あり(ミーティングを開催する場合は無料アカウント登録が必要)
有料プラン:※記載の料金は直接購入時。詳細はこちら (弊社、株式会社エクスでもお取り扱いしています)
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- プロ(個人向け)¥2,000/月/ホスト
- ビジネス(中小企業向け)¥2,700/月/ホスト
- 企業(大企業向け)¥2,700/月/ホスト
●アカウント要否
ミーティングを開催する場合は必要です
●利用環境
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- ブラウザ
- デスクトップアプリ
- モバイルアプリ
●使いにくい部分
無料プランの場合、3名以上でミーティングを行うと1回のミーティング時間が40分に制限されます。また、デスクトップアプリを利用している場合に画面がいくつも立ち上がることがあり、他のアプリと同時に使用していると、使いごごちが悪いことがあるように思います。
●総合評価
使いたい度:★★★★☆
基本的に使いやすく、大きな欠点が見つけられない!「Web会議用のツール」を利用したいのなら最適解だと思います。ただし無料版では3名以上だと40分の時間制限があるので要注意です。
Skype(スカイプ)
●特徴
Skype公式ページ
最初のリリースが2003年という、15年以上愛されてきた?インターネット電話サービスです。現在はマイクロソフト社から提供されています。TOP画面はインスタントメッセージ(IM)画面となっており、グループを作成したり、連絡先を選択したりして通話を開始することができます。
●主な機能
画面共有 |
通話中に画面共有ができます |
テキストチャット |
通話中か否かにかかわらず、インスタントメッセージ(IM)を利用できます。筆者はどちらかと言うとIMのみを使うことが多いです |
レコーディング |
MP4形式で通話をレコーディング可能です |
背景をぼかす |
バーチャル背景の設定はできませんが、背景をぼかすことはできます |
一般電話との通話 |
クレジットを購入すると、一般電話と通話することも可能です |
●料金
無料プラン:あり。基本的に無料です(一般電話と通話する際に料金が発生します)
●アカウント要否
アカウントが必要です
●利用環境
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- ブラウザ(Skype online)
- デスクトップアプリ
- モバイルアプリ
●使いにくい部分
グループで通話をする場合、50名までしか同時接続できません(zoomは無料版でも100名)。バーチャル背景が使えなというのも不都合なシーンが多いように思います。カメラ入力をSnap Cameraにするなどの裏技もありますが、ちょっとめんどくさいですね。(Skypeのアプリ(Mac)のバージョン8.59.0.77以降から、バーチャル背景に対応しています!!)
●総合評価
使いたい度:★★★☆☆
他の多くのWeb会議システムと比較しても通話が安定している気がします
Google Meet(ミート)
●特徴
Google Meet公式ページ
Google社が提供するサービスです。Googleアカウントを持っていれば誰でも無料で利用でき、GoogleカレンダーやHangout Chatとの連携により、難しい設定なく資料や予定が一元管理ができるところが最大のメリットです。
●主な機能
画面共有 |
「今すぐ表示」ボタンを押下すると画面共有ができます |
テキストチャット |
テキストチャットを利用できます |
他Google製品と連携 |
同じアカウントを利用しているため、他のGoogleアプリとシームレスに連携できます |
●料金
無料プラン:あり(Googleアカウントをもっていれば、基本的に無料で利用できます)
有料プラン:詳細はこちら。2020年9月まで有料プランを無料で試せます。
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- G Suite Essentials 10USD/月/ユーザー
- G Suite Enterprise Essentials 要問合せ
●アカウント要否
GoogleまたはG Suiteアカウントが必要です
●利用環境
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- ブラウザ
- モバイルアプリ
●使いにくい部分
画面共有の開始ボタンが「今すぐ表示」と分かりにくい、ZoomやSkypeと比べて通話の品質が安定していない、無料プランではレコーディングができないなど、他のツールと比較すると欠点が目立つように思います。また、レコーディング機能も最上位のプランのみでの提供となっています。
●総合評価
使いたい度:★☆☆☆☆
正直指定されない限り、率先して選択しないです
Microsoft Teams(チームス)
●特徴
Microsoft Teams公式ページ
マイクロソフト社が提供する、チャットを中心としたコミュニケーションツールです。チャット、ビデオ通話、ファイル共有、ストレージを一括で提供しており、同社が提供するSkypeの上位後継版といった位置付けです。てくいの ではチャットはSlack、ファイル共有はファイルのサイズや公開可否によってSlack・Google Drive・社内サーバー、ビデオ通話はZoomなどと使い分けており、使用する機会は少ないです。
●主な機能
画面共有 |
デスクトップだけでなく、特定のアプリやプレゼンテーションのみを選択しての画面共有も可能です |
テキストチャット |
会議中にテキストチャットを利用できます |
メモ作成 |
会議の議事録を残すことができます。作成したメモへのリンクが会議終了後にチャットに貼り付けられます |
手を挙げる |
発言をしたいことをアピールをしたり、プレゼンターからの簡単なアンケートへの返答にしたりする際に使用できます |
レコーディング |
会議を録画し、Microsoft Streamに保存できます。録画ファイルへのリンクが会議終了後にチャットに貼り付けられます |
バーチャル背景 |
「背景効果を表示する」というメニューで、背景を変更できます。背景をアップロードする機能はありませんが背景画像を収めたディレクトリに直接画像ファイルを置くことでオリジナル背景も使用できます |
●料金
無料プラン:あり
有料プラン:詳細はこちら
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- Microsoft 365 Business Basic ¥500/ユーザー/月
- Microsoft 365 Business Standard ¥1,360/ユーザー/月
- Office 365 E3 ¥2,170/ユーザー/月
●アカウント要否
ビデオ通話を開催するにはMicrosoftアカウントとTeamsへのサインアップが必要です
●利用環境
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- ブラウザ
- デスクトップアプリ
- モバイルアプリ
●使いにくい部分
ZoomやGoogle Meetが各参加者のビデオ画面のレイアウトを、タイル表示やスピーカーのみの表示、サイドバーに表示など選択できるのに対し、Teamsでは最大4名までの映像が同時に表示され、5名以上の参加者がいる場合はスピーカーのみが表示されます。大人数で顔を見ながら会話をしたいシーンでは使いづらさを感じそうです(マイクロソフト社のTwitterでは近々9名までを同時に表示できるようにアップデートすると発表されています)。また、個人的にアカウントの取り扱いが分かりづらく、作成にかなり手間取りました。
●総合評価
使いたい度:★★★☆☆
チームのコミュニケーションツールとして一元管理ができる点がすばらしいと思います。議事録(レコーディングやメモ)もとりやすいです。ただし、アカウント作成までが若干面倒なのとビデオ画面のレイアウトに制限があるため、Web会議ツール単体としてみると少し使いにくい部分もあります
Remo(リモ)
●特徴
Remo公式ページ
最近話題のWeb会議ツールです。先にご紹介した3つとは大きく異なり、オンラインのバーチャルイベントスペースやオフィススペースとしての利用ができます。Remoの会議へ入室するとまず、複数のスペースに区切られ、それぞれにイスとテーブルが並んだような画面が表示されます。参加者はスペースを自由に移動しながら同じスペースにいる人とビデオ通話ができます。あるスペースにいる間は他のスペースの会話は聞くことができません。また、画面にはステージもあり、全てのスペースの人へ向けてプレゼンテーションを行うことも可能です。
●主な機能
画面共有 |
画面を共有します |
テキストチャット |
全体でのチャットと、自身がいるスペースでのチャット、ダイレクトメッセージが可能です |
レコーディング |
プレゼンテーションモードを利用している場合、プレゼンの様子を録画できます。録画した動画はイベント設定画面からmp4形式でダウンロードできます |
タイマー |
タイマー機能で参加者に打合せの制限時間を意識させることができます |
アナウンス |
全体へ向けてアナウンスを流すことができます。アナウンスはポップアップメッセージとして表示されるので、全体へのチャットと異なり気づかれにくいということがありません |
ホワイトボード |
DeskleのWebホワイトボードを使用できます |
プレゼンテーションモード |
テーブルに関係なく、全員へ向けてプレゼンテーションができます。このモードでは、テキストチャットの他にQ&Aボードの利用なども可能です |
●料金
無料プラン:14日間の無料トライアルがあります
有料プラン:
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- Remo Conference plan:詳細はこちら(COVID-19への対応で、年間プランが20%オフ)
- Host $50/月(50名まで参加可能、1回の会議時間は1.5時間まで)
- Director $150/月(200名まで参加可能、1回の会議時間は2.5時間まで)
- Producer $400/月(500名まで参加可能、1回の会議時間は4.5時間まで)
- Studio $950/月(800名まで参加可能、1回の会議時間は無制限
- Remo Conference plan:詳細はこちら(COVID-19への対応で、年間プランが20%オフ)
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- Remo Virtual Office plan(Conferenceとは機能が異なる部分が多いです):詳細はこちら
- Lite $20/ユーザー/月(1回の会議時間は1人1日2時間まで)
- Standard $40/ユーザー/月(1回の会議時間は1人1日4時間まで)
- Deluxe $50/ユーザー/月(1回の会議時間は1人1日8時間まで)
- Pro $70/ユーザー/月(1回の会議時間は1人1日12時間まで)
- Remo Virtual Office plan(Conferenceとは機能が異なる部分が多いです):詳細はこちら
●アカウント要否
参加者はアカウント不要ですが、会議を主催する場合はプランへの登録が必要です。
●利用環境
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- ブラウザ(スマホのブラウザでは動作が安定しません)
●使いにくい部分
利用環境のところでも述べましたが、スマートフォンからは動作が安定せず、参加しにくいです。
●総合評価
使いたい度:★★★☆☆
他にはない面白さがあります!!てくいの でも、バーチャルオフィスとして使用しました。
利用シーン毎のおすすめは?
以上の各ツールの特徴から、それぞれ向いている利用シーンがありそうです。
- 商談や会議
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- Zoom
- Teams
- バーチャルオフィス
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- Remo
- 勉強会やセミナー
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- Zoom
- Skype
- Remo
- 飲み会や雑談
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- Zoom
- Remo
まだまだある、面白いWeb会議ツール
VRでよりリアルなコラボレーション感
最近ではVRデバイスも以前と比べて安価になり、また、5Gのリリースによる大容量データの高速なやりとりが可能になることが期待されることから、これまでよりリアルなコミュニケーションを実現するVRWeb会議も開かれるようになってきました。それに伴い、VRWeb会議に利用できるバーチャル空間共有サービスも増えてきています。
cluster
cluster公式ページ
アカウントを無料登録し、公開されている様々なイベントに参加したり、自分でイベントを開催できます。イベントに参加するための環境には、VRデバイス(Oculus Rift、Oculus Rift S、HTC VIVE、HTC VIVE Pro)、PCアプリ、ブラウザ(Chrome推奨)、モバイルアプリなどがあります。
2020年3月にはKDDIが「MUGENLABO DAY 2020」をclusterのバーチャルイベントとして開催し、バーチャル空間を使った大規模ビジネスカンファレンスの潮流がきています。同社は5月19日から渋谷区公認の配信プラットフォーム「バーチャル渋谷」をオープンしており、VRWeb会議サービスの注目度の高さが伺えます。
また、VR空間(バーチャルワールド)を自分で作成することも可能ですので、Unity経験者は是非そちらも体験してみてください。
VRChat
自身で作成した3Dモデルのアバターを使用して、バーチャル空間でコミュニケーションを行うことができ、さらにはゲームも楽しむことができます。こちらもVR空間(バーチャルワールド)を自分で作成することも可能です。
オルトスペースVR(AltspaceVR)
以下同文。。。となってしまいますが、こちらはソーシャルVRの先駆け的存在で、2017年にマイクロソフトか買収しています。
リアルな距離感を演出!(spatial.chat)
spatial.chat
てくいの がRemoの次に、バーチャルオフィスとして使用できないかと考えたサービスがこちら。会議に入ると参加者のビデオが丸いアイコンとして表示されます。このアイコンを話したい人の近くにドラッグするとその参加者のアイコンと音声が大きくなります。近づくと声と顔が大きく、遠のくと逆に小さくなると言う面白い仕組みで、普通のWeb会議では味わうことのできないリアルな距離感が演出されています。アカウント登録は不要なので、一度試してみてはいかがでしょうか。
飲み会専用!?(たくのむ)
たくのむ
オンライン飲み会専用のサービスです。アカウント登録なしに飲み会の会場を作成・参加でき、4人まで時間無制限、画面共有やチャット機能もあるなど、無料にもかかわらずかなり高機能なサービスです。実はこのサービス、ノルウェー発のWhereby (ウェアバイ)というWeb会議ツールをプラットフォームとして利用しているんです。高機能なのも納得ですね。たくのむ上からデリバリーを注文する機能も実装が予定されており、連携先が気になります(個人的にはUber Eatsでお願いしたいです)。
まとめ
最後に、今回紹介したWeb会議システムをまとめておきます。(2020年5月28日現在。各プランにより詳細が若干異なる場合がありますので詳しくは各ツールへお問い合わせください。また表示価格は各メーカーから直接ご購入される場合の料金です。)
今回はWeb会議システムの種類・特徴・おすすめの利用シーンをご紹介しました。こちらで紹介した以外にもWeb会議システムには多くの種類があります。利用シーンや好みに合わせていろいろと使い分けてみてはいかがでしょうか。